7月28日。今日は午前中にマンションの総会に出席。
午後から父の入院している病院へ向かう。
今日はゆめも一緒だ。
1年と3ヶ月ぶりに父は、ゆめと再会する。
果たしてゆめは覚えているだろうか。
病院の外で待つこと、10分。
父が車椅子に乗って出てきた。
しかし・・・
ゆめは父の姿をみてもあまり反応しない。
ゆめも12才という高齢になって、父の匂いを忘れてしまったのだろうか。
それでもどことなく何かが気になる様子ではあるのだけれど・・・。
父が小さな声で「ゆめ」と名を呼んだ。
すると、ハッとしたようにゆめは父を見ている。
聞き取りにくいぐらい小さな声で、父はまた名前を呼んだ。
そのたびに耳をそばだてて、顔を見て、差し出した手を舐めたり、足を舐めたりした。
果たして、ゆめは父だと分かったのか、分からなかったのか?
父の方は、車椅子で病院の外に出たのは1年ぶりかもしれない。
良い気分転換になったと思う。
ゆめの引き紐をつかんで、「足が動けば散歩してやれるのになぁ」と呟いていた。
父は、ゆめと散歩するのが日課だったのだ。
父の見舞いにきた叔母(父の妹)に父が「俺は脳梗塞になったと知った時、頭ぶつけて死のうと思ったよ」と言っていたらしい。
それだけショックで、悲嘆に呉れていたのだ。
ちゃんと食べて、リハビリ頑張って、家にも一時帰宅して、ゆめと散歩出来るようになろうね、と私は励ました。
父は黙って頷いた。
そんな気にさせたのは、ゆめのおかげだ。
- 関連記事
-